■ユーノス・ロードスター(na6ce)のカタログを残してます。
ユーノスロードスターの開発を担当した主査の名刺には、勢いのある筆で「人馬一体」と書かれている。「人車」ではない。あくまでも「人馬」である。馬の力をフルに引き出すため、愛情と努力を注ぐことを惜しまない乗り手。そして、乗り手のわずかな動きをたちどころに察して反応し、乗り手の心とひとつになって大地を思いのままに駆けめぐる馬。乗り手と愛馬との間に通う、そうした一体感こそ、ドライバーとスポーツカーを結ぶいちばんの絆であるとの思いが、「人馬一体」という言葉には、込められている。このプロジェクトのために、すべての主要スタッフが工場内にある川沿いのロフトにこもり(彼らはそこを愛着を込めてリバーサイドホテルと呼ぶ)、寝起きをともにして取り組んできたのも、スペックでは表しきれない「人馬一体」感を、いかに具現化するかということだった。過給機構をいっさい持たない自然吸気DOHCエンジン。P.P.F(パワープラントフレーム)でドライブトレイン系を一体化したFR。4輪ダブルウイッシュボーンサスペンション。ヨー慣性モーメントを極小に抑えた軽量設計と低重心レイアウト。高剛性オープンボディ。そしてタイトな2シーター。すべては、絶対的なスペックやハイメカニズムより、クルマの性能をフルに引き出して走る楽しさを求めた結果だ。「人車一体」ではなく「人馬一体」。ユーノスロードスターのステアリングを握って、その絆の心地よさを感じ取ってほしい。
排気音まで、速い。
いつもの40km/hとは、まるで違う。
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